未だ謎多きマヤ文明の都市ティカル

グアテマラ北部のジャングルの中にある「ティカル」は、古代マヤ文明最大の都市の一つです。
このジャングル内に生息する「ケツアール」という非常に美しい鳥は、手塚治虫の「火の鳥」のモデルとも言われています。

ティカルは中米最大の文明「テオティワカン」の将軍により西暦378年に征服され、王朝が始まりました。

非常に大きな都市であり、ティオティワカンと同じくピラミッドが建設され、6カ所の遺跡が発見されています。
ピラミッドの周辺には約6万人ほどの人が暮らしていたようです。

最も有名なピラミッドは、通称「大ジャガーの神殿」。
上部の神殿に施されたジャガーの彫刻が人々を見下ろします。
高さはおよそ51mほど。
向かいにはもう一つの神殿が対となっており、他の建物も集合体のように建造されています。
何のためにこのような造りになっているのか、用途については今も謎のままです。

ティカルの人々を悩ませていたのは「水不足」でした。
周りには大きな河もなく、乾季に入ってしまうと、雨は全く降りません。
ごくわずかな雨をどのようにして溜めるのかが課題となっていました。
しかし、ティカルの土地は石灰岩でできているため、雨がどんどん染み込んでしまい、溜めることができません。
そこで人々が考案したのが、石灰岩を燃やして漆喰にし、その漆喰で地面や建造物を塗り固めていったのです。

漆喰は水が染み込むことがありませんから、雨水を貯水することができるようになりました。
そのおかげで、街はどんどん栄えて行ったのです。

しかし、この都市が衰退する原因もまた、この漆喰でした。

漆喰を作るためには、石灰岩を燃やさなければなりません。
そのため、燃料となる木々をジャングルから伐採し、それを長きに渡って行った結果、土壌が崩壊し、大干ばつが起こりました。
そして、作物が育たず、街は滅びてしまったのです。